入荷登録と製造原価の確認を別の担当者が行う場合にも、ケース内のどの原料の価格かが分かるようにします。原料を識別する方法はロット記録の基本、単位換算そのものはkg・個・ケースの整理で確認できます。このページでは、入荷時の単価を製造の使用量と照合します。

原料ケースの仕入条件、管理単位あたりの単価、製造への使用量を照合する流れ
図:仕入条件を確認し、単価の単位をそろえて製造の原料費を確かめる手順 図を拡大する

入荷時に、単価が何に対する金額かを確認する

納品書に「1ケース5,000円」とあっても、管理する数量がkgなら、そのまま5,000円をkg単価として入力できません。ケースの中身が10kgなら、同じ費用範囲で計算した1kgあたりの単価は500円です。これは単位を説明する架空例です。

数量の単位と、単価の分母を一致させます。 ケースごとの内容量が違う場合は、ケース数だけで使用量を判断せず、現物や仕入記録で管理単位の数量を確かめます。

入荷時に、単価が何に対する金額かを確認する:確認表
受け取る情報 登録前に確かめること
原料名・規格 同名でもサイズや加工状態が違わないか
ケース・ロットの識別 実際に使う現物と記録を対応させられるか
入荷数量 kg、個などの管理単位と合っているか
単価 1kg、1個、一箱のどれに対する金額か
金額の範囲 税や運賃を含むか、比較相手とそろっているか

税や運賃などをどの範囲まで原料費に含めるかは、自社の管理方法に合わせて担当者と決めます。異なる扱いの金額を、そのまま同じ原料の値上がりと判断しないようにします。

未確認の単価と、確認済みの0円を分ける

仕入金額がまだ届いていないとき、便宜上0円を入れると、後で「原料費がかかっていない」と読まれるおそれがあります。無償で受け取った原料と、単価をまだ確認していない原料を区別してください。

未確認なら、どの資料を誰が確認するか、いつまでに入力するかを残してください。入力上の都合で仮値を置いた場合も、確定値として採算を評価せず、確認対象として引き継ぎます。これは社内の運用として決める事項であり、システムが自動で単価を確定するという説明ではありません。

製造で使った数量を、該当ケースの単価へ結び付ける

単価を登録したら、製造に使ったケース・ロットと数量を対応させます。同じ原料でも入荷時点の単価が違えば、同じ使用量に対する原料費も変わります。

次は、原料費だけを比較する架空の例です。金額の範囲と数量単位がそろっていることを前提にしています。

製造で使った数量を、該当ケースの単価へ結び付ける:確認表
使用した原料 管理単位あたり単価 使用量 使用分の原料費
ケースAの原料 500円/kg 6kg 3,000円
ケースBの原料 600円/kg 4kg 2,400円
合計 10kg 5,400円

500円/kgだけで10kgを計算すると5,000円になり、この例では使用した原料の費用との差が400円生じます。平均単価を使う管理方法でも、どの原料・数量を平均の対象にしたかをそろえる必要があります。

この表は照合の考え方です。特定の画面で複数ケースを一括配賦できることを示しているわけではありません。実際に残す記録は、現場の製造単位と利用する入力方法に合わせます。

HAIFFでは、ケース内の原料単価を製造の入力へ渡す

HAIFFの原料ケース登録では、ケースに含まれる原料ごとに数量と管理単位あたりの単価を入力し、数量×単価の金額を保持します。単価の入力先は、ケース内の原料ごとです。 一箱の価格を、そのまま各原料のkg単価や個単価には使いません。

手動で製造実績を作る際は、使用するケースと原料ロット、作る商品、原料の使用数量、商品の製造数量を指定します。選んだ原料の単価に使用数量を掛けて原料費を計算します。金額が合わない場合は、入荷時の単価と今回の使用量を別々に確認できます。

製造側に金額が出ても、元の単価・使用量が正しいかは担当者が確かめます。単価を後から直した際に、過去の全実績が自動で同じ条件に更新されるとは扱わず、確認対象の実績に保持された金額も見直してください。

ここで確認する原料費と、出荷先への実際の売上を突き合わせた利益は別です。製造数量を金額へ換算する表示の読み方は製造実績の原料費と粗利を確認する方法へ進んでください。

金額が合わないときは、差が生まれた箇所へ戻る

原料費が想定と違ったら、使用ケース、数量、単位、単価、費用範囲を順に照合します。差の原因が分かるまで、単価を一括で変更しないでください。製造量が同じでも原料の使用量が増えていれば、価格以外の原因が考えられます。

  • ケースを取り違えた場合:現物とケース・ロットの記録を照合する。
  • 使用量が違う場合:投入記録と残量を確認する。
  • 単価が違う場合:仕入資料と単価の単位・費用範囲へ戻る。
  • 原因が分からない場合:確認できた範囲と未確認の資料を分けて担当者へ渡す。

日々の確認をいつ行うかは食品工場の一日の業務フローで整理できます。価格改定まで検討する場合は、原料価格が変わったときの売価と粗利の見直しへ進みます。

食品工場でケース別の原料単価を登録する際のチェックリスト

チェックが残ったら: 単位が不明なら仕入資料と管理単位を確認し、単価が未確認なら採算の判定を保留します。そろったら、一件の製造実績で原料費を確かめ、次の入荷でも同じ順序を使えるよう担当間で共有しましょう。