特に水産原料など一箱の重量が一定でないものは、「一ケースはいつも何kg」と固定すると実態との差が広がることがあります。この記事では、固定できる換算と実測が必要な換算を分け、在庫計算へ渡す方法を説明します。

品目・規格ごとに、基準単位を決める

最初に、製造計画や残量確認で使いたい単位を決めます。重量で投入量を決める原料ならkg、同じ規格の包材なら枚など、業務上の判断に合う単位を選びます。ただし、仕入先へ発注する単位や倉庫で数える単位まで消す必要はありません。

「A原料」という名称だけでなく、入数や重量の違う規格を識別しましょう。同じ名前で一ケース10袋と12袋を扱うなら、規格を分けなければ正しい換算を選べません。

品目・規格ごとに、基準単位を決める:確認表
品目・規格 受入単位 管理の基準単位 換算方法 確認資料
__ ケース kg 固定/実測 __
__ ケース 一ケース__袋 __
__ 一箱__枚 __

基準単位を決めた後も、元の数量と単位は記録へ残します。後で納品書や現物へ戻って確かめるためです。

固定換算と実測換算を分ける

固定換算が使えるのは、対象の規格について換算関係が確認できる場合です。架空の例として、同じ規格の原料が一袋2 kg、一ケース6袋なら、一ケースは12 kgです。5ケースを受け入れれば60 kgとなります。

一方、重量が異なる3ケースを実測し、9.8 kg、10.4 kg、10.1 kgだった場合、合計は30.3 kgです。「一ケース10 kg」の仮定では30 kgとなり、0.3 kgの差が残ります。仮定が必要な計画と、現物に基づく在庫を混ぜないようにします。

実測では、容器や包材を含む総重量と、中身の重量を分けます。風袋を差し引く方法、計量の時点、端数処理の桁数を決め、担当者が変わっても同じ方法で測れるようにしてください。

開封後の端数を、元のケース数へ無理に戻さない

未開封品はケース単位、開封済み品はkgや個数で管理すると、現物を確かめやすい場合があります。この時も、集計時には同じ基準単位へ換算します。

架空の例で、一ケース12 kgの未開封品が4ケース、開封品が3.5 kgなら、在庫は48+3.5=51.5 kgです。「約4.3ケース」とだけ書くと、開封品がどこにあるか分かりません。数量計算と現物の置き方を両方記録します。

開封後の端数を、元のケース数へ無理に戻さない:確認表
所在 状態 元数量・単位 換算根拠 基準数量
架空例:棚A 未開封 4ケース 12 kg/ケース 48 kg
架空例:棚B 開封済み 実測3.5 kg 計量記録 3.5 kg
__ __ __ __ __

商品や原料の状態によっては、別容器へ移す時点でロット表示も引き継ぐ必要があります。単位の整理と現物の識別が同時に保たれるように設計しましょう。

換算率を変えたら、過去の記録へ影響させない

仕入先が入数を変更した場合、換算表だけを上書きすると、以前の入荷も新しい入数で再計算されることがあります。過去の実績が動けば、棚卸しとの差や原料使用量の比較が分からなくなります。

適用開始日、対象規格、変更理由を残し、取引時に使った換算関係を確認できるようにします。既存在庫に新旧規格が混在する間は、それぞれの数量を分けましょう。システムを使う場合は、換算情報の変更が過去データへどう作用するかを確認します。

また、端数処理を毎回行うのか、合計した最後に行うのかでも差が出ます。自社の計算ルールを決め、細かな差を全て現場の数え間違いにしないことが大切です。

一件の入荷から投入まで、同じ単位で検算する

導入前の確認として、一件の納品書と実際の投入記録を選びます。受入量を基準単位へ直し、使用量を差し引き、残量が現物と合うか確かめます。合わない場合は、規格、風袋、開封品、丸め方、入力時点を順に調べましょう。

生産計画では原料の必要量と在庫の単位が一致している必要があります。HAIFFの案内でも、原料在庫や歩留まりを計画条件として扱っています。登録前に各原料の基準単位と換算方法を揃え、対応する入力形式を確認すると、計画数量の意味を読み取りやすくなります。

まずは差異が出やすい一品目だけでも、元の単位、基準単位、固定か実測かの三点を記入してください。

関連する確認は原料と商品在庫の整理原料ロットの記録へ進めます。

参考情報