計画へ戻したいのは、昨日の率そのものではなく、明日使う原料と製造条件に合う前提です。この記事では、歩留まりの計算方法から一歩進めて、変動する実績を計画値へ反映する手順を整理します。

比較できる実績だけを並べる

歩留まりは、ここでは完成品の重量を投入原料の重量で割った比率として扱います。投入側に何を含むか、完成側をどの工程で測るかを揃えないと、見かけの変動が生まれます。解凍前後や包装前後の数値を混在させないでください。

原料の規格、ロット、製品規格、設備、工程条件、計量時点を記録します。初めから全項目を詳細化するより、現場で差に関係しそうな条件と、数字の定義を確実に残すことから始めましょう。

比較できる実績だけを並べる:確認表
実施日 原料・規格 投入重量と測定時点 完成重量と測定時点 条件・例外
__ __ __kg/__ __kg/__ __
__ __ __kg/__ __kg/__ __

完成していない分が残る日は、仕掛品を分けます。同じ日の投入重量と完成重量を無条件に割ると、前日投入分の完成や翌日への持越しで比率が変わってしまうためです。

平均を取るなら、投入量の違いを反映する

架空の例として、ある日は100 kgを投入して80 kgが完成し、別の日は20 kgを投入して12 kgが完成したとします。日別の歩留まりは80%と60%ですが、二日の率を単純平均した70%は、総投入に対する歩留まりではありません。

同じ条件としてまとめてよいなら、合計完成量92 kgを合計投入量120 kgで割り、約76.7%と計算します。投入量が大きい日の影響を正しく含めるためです。ただし原料規格が違うなら、そもそも二日を一つの計画値へまとめることが適切かを先に検討します。

平均値を作る目的は、差を見えなくすることではありません。規格ごとに一貫した違いがあるなら、計画値を分けた方が次の必要原料を説明しやすくなります。

明日の条件に近い実績を使い、幅も確認する

計画歩留まりを選ぶ際は、明日使う原料規格と工程が近い実績を確認します。少数のデータしかない場合は、確かな標準値として扱わず、暫定値と明記します。初めての原料なら、試行して確認する範囲と担当を決めましょう。

架空の計算例として、完成品を120 kg用意したい場合、歩留まり80%なら必要投入量は150 kg、75%なら160 kgです。この10 kgの差が、原料在庫と一日の投入上限に収まるか確認します。率の小さな差を眺めるより、必要量への影響へ換算すると判断しやすくなります。

明日の条件に近い実績を使い、幅も確認する:確認表
計画の前提 必要投入量 原料の確保 設備・人員の能力 判断
通常とみなす条件:__ __kg __ __ __
低い歩留まりの場合:__ __kg __ __ __

低い方の率を使えば常に正解というわけではありません。原料を多く投入することで、別の条件では完成品が余る可能性もあります。どこまで準備し、どの時点で投入量を見直すかを決めます。

数字を変える前に、計測と工程の理由を確認する

実績が急に変わった場合は、計量や入力の誤り、途中品の扱い、原料の条件差、製品規格の変更を確認します。計画値へ合わせるために実績を直すことも、理由が不明なまま標準値を更新することも避けます。

工程の条件に関係する変化なら、品質や製造の担当者が原因を確認します。歩留まりの向上だけを目的に、必要な処理や確認を減らす判断はしません。重量が増えたことが、そのまま良い製品や利益の増加を意味するとは限らないためです。

変更後の計画値には、対象規格、根拠となる実績期間、決定者、見直し時期を付けます。これにより、担当が変わっても「なぜこの数字か」を引き継げます。

HAIFFへ渡す前提にも、条件と確認担当を付ける

HAIFFの生産計画では、歩留まりが必要投入量や商品生産量を考える条件の一つとして案内されています。適切な前提を用意するには、現場で使う原料と製品の単位、歩留まりの意味、適用範囲を揃える必要があります。

まず一商品を選び、直近の比較可能な実績から計画値を仮置きし、その数字を使う場合と低い場合の必要投入量を計算してください。両方を原料在庫と能力へ照らし、採用する前提を担当者が説明できる状態を目指しましょう。

計算の基本は水産加工の歩留まり計算、完成量の差を他の原因と分ける方法は計画と実績の確認手順で解説しています。

参考情報