この記事では、実績から翌日の計画を直す手順を説明します。目的は担当者の良し悪しを数字で決めることではなく、次の計画で同じ条件の見落としを防ぐことです。
同じ時点・商品・完成条件で比較する
製造実績の「100ケース」が、包装完了分なのか、加工を終えた分なのかで意味は変わります。計画が包装済み数量なのに、実績へ仕掛品を含めると正しく比べられません。商品コード、単位、対象工程、締め時刻を先に揃えます。
計画自体も、朝の初版と日中に変更した版のどちらを比較するか決めましょう。朝100ケース、途中で120ケースへ増やし、実績110ケースだった場合、初版との差はプラス10、変更後との差はマイナス10です。どちらも計算は正しくても、答えている問いが違います。
| 比較条件 | 今回使う定義 |
|---|---|
| 計画の版・確定時刻 | __ |
| 実績の締め時刻 | __ |
| 商品・規格 | __ |
| 単位 | __ |
| 完成と数える工程 | __ |
| 未入力・確認待ちの扱い | __ |
数量差を、投入・歩留まり・完了時点に分ける
架空の計算例として、投入予定100 kg、計画歩留まり80%、完成品予定80 kgとします。実際の投入が90 kg、完成品が67.5 kgなら、実績歩留まりは75%です。完成品の差は12.5 kgですが、全てを歩留まり悪化で説明することはできません。
この例では、投入不足10 kgを計画歩留まり80%で換算すると8 kg。実際に投入した90 kgに対する歩留まり差5ポイントは4.5 kg。合計12.5 kgが完成品の差になります。ここでは全投入分が同じ日に完成し、工程の重量基準が同じという前提です。
一部が翌日に完成する場合は、仕掛品として分けてから比較します。計量する工程や水分などの条件が違えば、同じ式の数字を直接比べられません。比率を計算する前に、対象範囲を確認してください。
理由は「忙しかった」で止めず、次の行動まで書く
差異の理由は、原料不足、準備の遅れ、設備停止、配置変更、品質確認、注文変更、記録の遅れなどに分けます。一つの原因へ無理に絞らず、数量と時間が分かる範囲で記録しましょう。
| 起きたこと | 影響した工程・時間 | 翌日に残るもの | 次の対応 |
|---|---|---|---|
| 原料の準備が遅れた | __ | 未投入__kg | 準備完了を__が確認 |
| 包装が終わらなかった | __ | 仕掛品__kg | 包装枠を__へ設定 |
| 数量の入力が未完了 | __ | 実績確認待ち | __時までに照合 |
| 歩留まりが想定と違う | __ | 不足__kg | 条件を__と比較 |
同じ「未達」でも、入力待ちなら製造を増やす必要はないかもしれません。包装待ちなら新しい原料を投入するより先に、残った品を完成させる計画が必要です。差の理由によって次の行動を変えます。
翌日は、残数量ではなく新しい必要量から計算する
差異を確認したら、翌日の商品在庫と出荷予定を更新し、必要量を改めて算出します。前日の不足分を機械的に上乗せすると、その後の注文減や在庫の修正を二重に反映する場合があります。
確認する順番は、実績の確定、使える在庫、翌日以降の出荷、利用できる原料、工程能力です。未完成品がある場合は完成予定も別に置きます。予定を組み直した結果、納期に間に合わないものは、営業や出荷担当へ判断が必要な案件として渡します。
この段階で、予定変更の理由を一行残しましょう。「昨日の不足を追加」よりも、「実績確定後の在庫と明日出荷分を再計算。包装待ち分を先に完成」と書けば、他の担当者が計画の根拠をたどれます。
一度の差異で、標準値を全部変えない
初めて起きた設備停止と、毎回同じ商品で発生する処理量不足では、見直し方が違います。前者は例外として扱い、後者は能力の前提そのものを確認する候補になります。
標準値を変える際は、どの商品・原料・設備・人員条件の実績を使ったかを残します。平均だけでなく、条件が近い日を比較することで、計画に使う数字の説明ができます。原因が未確認なら、暫定値と確認期限を明示して運用しましょう。
HAIFFでは、製造実績などの日々の記録を次回以降の計画の検討材料にする流れを案内しています。実績を入力しただけで全ての計画条件が自動的に適正化されると考えず、どの条件を人が見直すかを決めて使うことが大切です。
日々の一覧の作り方は今日の数字の確認項目、原料とのつながりは原料ロットの記録をご覧ください。
参考情報
- HAIFF公式製品案内:毎日の運用と記録。本記事の差異分解は前提を限定した独自の計算例であり、導入実績や効果測定の値ではありません。