保有原料、追加調達、試作へ進む案を分ける判断図
図:保有原料、追加調達、試作へ進む案を分ける判断図。AI生成による説明用の概念図です。 図を拡大する

倉庫にある原料のうち、他の注文に使う分を除くと何kg残るでしょうか。その量で作れる商品を考え、追加購入する材料と作業時間も見積もります。

この記事では、原料の確認、企画書への記入、三案の比較、試作の順に進めます。下の表を使い、営業・購買・製造の担当者へ確認する内容をまとめてください。

原料の「ある量」と「使える量」を分ける

在庫数量だけでなく、規格、品質状態、使用期限や保管条件、既存商品の引当分を確認します。継続商品にする場合は、今ある在庫だけでなく、今後も同じ規格を調達できるかが重要です。

今回の在庫を使い切る商品なら、数量限定で売る方法があります。定番商品にするなら、次回も仕入れられるか、仕入価格が上がった場合に続けられるかを購買担当へ聞きます。「在庫があるから原料費はゼロ」と扱わず、社内で採用する評価額と追加調達時の価格を分けて試算してください。

企画の条件を一枚にまとめる

次の表を埋めると、原料から思いついた案を販売と製造の両面で比較できます。未確定の項目には仮の条件と確認担当を書きます。

企画の条件を一枚にまとめる:確認表
項目 決める内容 確かめる相手
買う人・使う人 家庭用か業務用か、利用場面 営業、既存取引先
販売条件 販売先、想定売価、容量、販売量 営業、販売先
原料条件 規格、利用可能量、供給の継続性 購買、品質担当
製造条件 使える設備、工程、製造枠 製造担当
採算条件 出荷単価、許容原価、最低ロット 経理、責任者
品質条件 流通温度、包装、保存方法の検証 品質担当

保存期間や加熱条件などは、アイデアの段階で数値を置いただけでは確定しません。実際の製品と工程に応じた検証が必要な項目として、担当と確認方法を設定します。

三案を、同じ条件で比較する

以下は架空の例です。冷凍の魚の切り落としを活用したい工場が、既存の惣菜売場向けに新商品を検討しています。原料はまとまった量がありますが、大きさにばらつきがあります。

三案を、同じ条件で比較する:確認表
案 原料の特徴との相性 先に確かめたいこと
混ぜご飯用の具 形状のばらつきを吸収しやすい仮説 調理方法、味の均一性、包装工程
小分けの魚惣菜 少量利用の場面に合う仮説 盛付量、骨等の管理、作業時間
具入りの冷凍スープ 食べ方を提案しやすい仮説 充填設備、解凍後の品質、物流費

三案を比べるときは、今の設備で試せるか、提案する販売先があるかを先に見ます。例えば充填設備がなければ、スープ案は設備の確認待ちです。ほかの二案で試作を進め、その間に設備の費用や外注の可否を調べます。

一番不確かな条件から、小さく試す

味の方向が決まっていても、包装の手作業が増えて採算が合わないなら、最初に見るべきは包装時間です。販売先が使う調理方法に合うか不明なら、その方法で試作を評価します。すべてを完成させてから見せるより、企画を止める可能性の高い条件を先に確かめます。

試作前には製造・品質担当が工程を確認します。厚生労働省のHACCP資料では、衛生管理計画と実施記録、必要に応じた見直しが示されています。新しい原料や工程を既存の管理で扱えるかを確認し、AIの提案だけで安全な製造条件と判断しないでください。

AIには、条件と不明点を一緒に渡す

AIへの依頼は「この原料で売れる商品を考えて」から一歩進めます。「対象は既存の惣菜売場。現有設備で試せる三案を、利用場面、必要工程、追加原料、未確認事項で比較して」と伝えると、会議で検討しやすい形になります。

HAIFFの商品開発でも、原料や販売先などの企画条件を整理してから商品案を選び、試作や原価の確認へ進みます。生成された案は仮説なので、根拠のない市場規模や顧客の反応を事実として企画書へ移さないようにします。

会議では三案程度に絞り、それぞれ試作するか保留するかを決めます。「包装時間が分からないので製造担当が測る」のように宿題も書いておきましょう。保留した案も理由を残しておけば、設備や販売先が変わったときに再検討できます。

追加原料が必要な案では、最小発注量と保管場所も確かめます。試作に使う量は少なくても、販売を始めると余剰在庫が生じることがあります。主原料を活用できる割合だけで評価せず、追加で抱える在庫、発注の手間、既存商品の製造枠への影響まで一緒に見れば、工場全体で続けやすい案を選べます。

HAIFFでは、手持ちの原料と届けたい相手から企画を始める

HAIFFのAI商品開発室は、登録済みの原料マスター・商品マスター・取引先情報をもとに商品案を考える機能です。企画条件の整理では、余っている原料、作ってみたいもの、食べてほしい相手、取引先との共同企画などをAIに伝えます。

例えば操作実演では、イワシとシシャモを使い、高級ペットフードを考えたいという希望を入力しています。原料名に加えて届けたい相手を伝えると、その企画に沿って商品案を検討できます。この例は操作の実演で、商品化や販売の実績ではありません。

商品案を選んだ後は、調査、試作レシピ、架空の顧客レビュー、原価・粗利の確認へ進みます。担当者は提案された材料を調達できるか、手持ちの設備で作れるかを確かめてから試作に取りかかります。

手持ちの原料を使った新商品を企画する際のチェックリスト

チェックが残ったら: 材料単価や設備が不明な案は理由を付けて保留し、購買・製造担当へ確認します。試せる案が残ったら、試作の評価項目を先に決めてから着手しましょう。