在庫が古かったり、出荷表と商品表の名前が違ったりすると、AIが出した数量を現場で使ってよいか迷います。以下では、商品群を一つ選び、入力前に確かめる箇所を説明します。

表示単位、個数か重量か、1単位の重量をそろえて同じ数量として読む
図:入力前にそろえる三つの単位情報 図を拡大する

図に示した表示単位、個数・重量の区分、一単位の重量は、まとめて確認します。「10」と書かれた数量が何を指すかを、在庫の担当者も計画の担当者も同じように読めることが必要です。

一つの出荷から必要な情報をたどる

実際に予定している出荷を一つ選んでください。その商品を納期までに用意するには何が必要か、担当者と調べます。使う原料、商品と原料の在庫、製造する日を順にたどると、不足する情報が見つかります。

一つの出荷から必要な情報をたどる:確認表
データ 最初に見る箇所 不明ならすること
商品 名前・識別子・単位・使う原料 表同士の対応を作る
出荷予定 数量・出荷日・確定状態 営業と採用版を決める
商品在庫 基準時刻・使用可能量 倉庫と現物を照合する
原料在庫 ロット・残量・単位・入荷状態 実在庫と予定を分ける
製造条件 歩留まり・投入上限・工程 同じ条件の実績を確認する
稼働条件 休業日・人員・使える設備 当日の担当へ確認する

HAIFFの公開説明では、原料・商品・生産ルール・稼働カレンダー・費用カレンダーが生産計画の基礎情報として示されています。利益や原価の見え方も確かめたい場合は、費用の条件と期間まで確認します。

名前・単位・時刻の不一致を先に直す

件数を増やす前に、別の表でも同じ商品を特定できるかを確かめましょう。出荷表の「干物A」と商品表の「A商品」は同じ品物でしょうか。規格違いの可能性もあるため、名前が似ているだけで一つにまとめないでください。

単位はkg・個・ケースを分け、換算する場合は重量の根拠を残します。基準時刻も必要です。出荷予定だけ最新にして在庫を前日のままにすると、製造済みの数量を追加で作る案になる可能性があります。

架空の例では、出荷200個に対し商品在庫を「40」とだけ登録しても、40個か40ケースか分かりません。1ケース10個と確認できれば400個ですが、その換算を商品ごとに確認する必要があります。入力値の大きさから意味を推定してはいけません。

工場ルールを「絶対条件」と「希望」に分ける

口頭で伝えている工場のルールを書き出します。「必ず守る上限」と「できればこう作りたい」という希望は別にしてください。守らないと製造できないものを先に確定させます。

工場ルールを「絶対条件」と「希望」に分ける:確認表
ルールの例 分け方 確認する内容
この設備は水曜に使えない 実行上の制約 対象設備・期間
原料投入は1日300kgまで 実行上の制約 何の投入量か、人員条件
なるべく同じ商品をまとめて作る 希望・優先方針 例外にできる条件
急ぎの注文を優先したい 要具体化 何を急ぎとし、誰が決めるか

これらは説明用の例です。すべての制約や希望が、どのシステムでも同じように設定できるとは限りません。HAIFFでの設定方法と対応範囲は、対象の業務条件を具体的に伝えて確認してください。

書き出したルールが両立するかも見ます。「木曜までに完成」と「原料を使えるのは木曜だけ」の両方を守れるかは、工程にかかる時間次第です。答えが出ていない点を、AIへの入力だけで解決したことにしないでください。

初回は、答えを説明できる小さな例で確認する

初回は、既存の表や手計算で答えを確かめられる例が向いています。商品在庫を出荷量から引き、必要な製造量と原料量を追える範囲で試しましょう。

架空の例として、出荷100kgに対し、使える商品在庫が20kgあるとします。追加で完成する予定がなければ、必要製造量は80kgです。重量歩留まり80%で計算すると、原料投入の目安は100kgになります。出荷までの製造時間と投入上限も満たすか確認します。単にこの数字になれば合格ではなく、同じ前提が入力されているかも見ます。

その後で、出荷量を変える、休業日を加える、原料を減らすなど、一条件ずつ変えて案の変化を確かめます。複数の条件を一度に変えると、違いの理由を追いにくくなります。

結果確認と更新の担当を決める

計画案ができたら、出荷充足、日別の製造量、原料投入量、在庫推移、当日の能力を確認します。HAIFFの計画は担当者が確認し採用するための案です。結果が想定と違う場合は、出力だけを直す前に入力条件を見直します。

日々の更新には担当と時刻を決めます。たとえば倉庫が原料残量を、営業が出荷予定を、現場が稼働予定を更新する、と割り振ります。編集できる人が複数いても、更新担当が決まっていないと古い数字が残ります。

計画が表示されたら、元にした数字を担当者が説明できるか確かめます。現場へ渡してよいかを確認する人と、翌日の変更を入力する人まで決めてから試行へ進みましょう。小さな範囲で試す進め方でも準備を紹介しています。

HAIFFでは、工場の前提を五つのマスターで整理する

HAIFFでは、原料マスター、製品マスター、生産ルール、稼働カレンダー、費用カレンダーに工場の情報を登録します。在庫だけでなく、作る商品と日別の製造量を決める情報を計画に使います。

  • 原料マスターには、重量ごとの単価、現在の在庫、安全在庫、投入上限や一回の投入単位などを登録します。
  • 製品マスターには、商品コード・名称、使用原料との紐付け、販売価格、現在の在庫などを登録します。
  • 生産ルールと稼働カレンダーで、日ごとに適用する原料・商品・生産条件を組み合わせます。

商品・原料・製造日の設定が対応しているかを確かめます。出荷する商品を一つ選び、その商品に指定した原料と、製造日に使うルールをたどってください。空欄や対応違いがあれば、初回計算の前に直します。

食品工場でAI生産計画を導入する際のチェックリスト