以下では一商品の出荷と在庫を日ごとに追います。表と数値は架空例です。予備を持つ量は商品や工場で異なるので、例の数値をそのまま採用しないでください。

現在庫100個から明日出荷80個を見込むと将来残20個。現在庫を先に減らさない
現在庫と出荷予定を分けて考える。数量は説明用の仮定です。 図を拡大する

数量が合わない原因を、製造量の外側から確認する

「在庫はあるのに出せない」「作ったのに足りない」という状態では、次のような情報の違いがないか先に確認します。

  • 出荷予定へ、取り消した注文が残っている。
  • 同じ注文を営業見込みと確定注文の両方で数えている。
  • 商品在庫に、既に出荷した数量が残っている。
  • 在庫はあるが、規格や荷姿、確認状態が今回の出荷に合わない。
  • 製造予定を、完成した在庫として扱っている。

取り消した注文や古い在庫の数字が残ったままでは、増産しても原因は直りません。まず商品、単位、集計時刻、注文の確定状態を確認します。

確定注文と見込みを分ける

これから出す数量には、受注済みの注文、営業の見込み、将来の予測があります。合計だけでは、どこまで製造を確定してよいか分かりません。次のように欄を分けて記録します。

確定注文と見込みを分ける:確認表
商品・出荷日 確定数量 見込み数量 根拠・確認期限 担当
自社で記入

受注が決まった数量は見込み欄から確定欄へ移し、両方に残さないようにします。確認期限を過ぎた見込みは、営業に更新か取り下げを確認してください。予測をどこまで計画に入れるかは、製造にかかる時間や納期に合わせて決めます。

確定注文だけでは準備が間に合わない商品もあります。その場合は、予測を使っていることと、外れたときの見直し方法まで説明できるようにします。

日付ごとに、使える数量と必要量を合わせる

架空例として、月曜朝に使える商品Aが100kg、月曜出荷80kg、火曜出荷70kgとします。月曜は製造せず、火曜の出荷前に完成できる製造を考えます。火曜出荷後に20kg残す仮の方針を置くと、必要製造量は70kgです。

日付ごとに、使える数量と必要量を合わせる:確認表
日 期首の使用可能在庫 出荷前の完成量 出荷量 期末在庫
月 100kg 0kg 80kg 20kg
火 20kg 70kg 70kg 20kg

火曜の製造70kgは、出荷70kgに合わせただけではありません。月曜からの在庫20kgを引き、出荷後に残す20kgを足した量です。予備を残さない場合なら、必要製造量は50kgになります。

予備20kgは説明用の仮定です。需要の変化、補充までの時間、次に製造できる日、保管や出荷の制限を調べ、自社で必要な量を決めてください。

余っている量にも、行き先と時期を付ける

在庫の量だけで「余っている」とは決められません。近い出荷に使う分と行き先が未定の分を分けましょう。未定分は、誰がいつまでに販売予定や保管状態を確認するかを残します。

余っている量にも、行き先と時期を付ける:確認表
在庫の状態 確認すること 次の行動
確定出荷へ使う予定 数量・出荷時期・適合条件 二重引当を防ぐ
近い見込みへ使う予定 見込みの確度と確認期限 製造の確定を見直す
使う先が未定 規格・状態・保管条件 販売・製造担当で扱いを決める

単に古いものから必ず出せるとは限りません。顧客の仕様や出荷条件に適合するかを担当者が確認します。品質や出荷の可否を、この在庫計算だけで決めないでください。

作りすぎを防ぐため、増産の根拠を残す

最低製造量や投入単位、段取りの都合で、必要量より多く作る場合もあります。そのときは理由とともに、余分に作る分をいつ何に使うかを記入します。

架空例で必要量が70kg、製造単位が40kgなら、80kgを作る案では10kgが計算上の余裕として増えます。この10kgを後日の需要に使えるか、ほかの在庫と重ならないか確認します。「切り上げだから」と毎回記録せず増やすと、余剰の理由を追えません。

原料や能力が足りない場合は、不足する日付と数量を表に残します。計算上マイナスになった在庫を消して済ませず、納期や数量を誰に相談するかを決めてください。

日々の差を、次回の計画へ戻す

毎日の製造と出荷が終わったら、計画と実績の差を確認します。出荷の増減、出来高の差、記録の遅れを分け、次の日の期首在庫を確定します。予備量を変えるときは、直近の不安だけで増やさず、何がどれだけ変わったかを記録します。

HAIFFの計画にも商品在庫と将来の出荷予定を使います。元の記録で確定・見込みを分けておけば、計算結果の不足や余剰を確かめやすくなります。まず一週間分の製造量に、必要な理由を書き添えてみましょう。

HAIFFでは、日別の在庫推移から不足を確認する

HAIFFでは、商品在庫の変動を日付ごとの表で確認できます。出荷予定に対して在庫が不足する日はマークで表示され、安全在庫を上回る日も見分けられます。今の在庫量だけでなく、「どの日の出荷に足りないか」を確認してから計画を作る仕組みです。

製品マスターには現在の在庫に加え、安全在庫と上限在庫を登録します。生産計画では、在庫と出荷予定を確認し、条件に基づいて算出された日別の原料投入量・商品生産量を見ます。

欠品と作りすぎを防ぐために製造量を決める際のチェックリスト