欠品と作りすぎには、商品ごとに違う条件があります。この記事では、1商品の出荷と在庫をつなぐ整理手順を紹介します。表と数値は編集部の架空例で、すべての食品工場へ同じ予備在庫を推奨するものではありません。

数量が合わない原因を、製造量の外側から確認する

「在庫はあるのに出せない」「作ったのに足りない」という状態では、次のような情報の違いがないか先に確認します。

  • 出荷予定へ、取り消した注文が残っている。
  • 同じ注文を営業見込みと確定注文の両方で数えている。
  • 商品在庫に、既に出荷した数量が残っている。
  • 在庫はあるが、規格や荷姿、確認状態が今回の出荷に合わない。
  • 製造予定を、完成した在庫として扱っている。

これらを確認せず製造量を増やすと、原因が残ったまま在庫だけが増えることがあります。最初に商品、単位、基準時刻、出荷の確定状態を合わせます。

確定注文と見込みを分ける

出荷の需要には、受注として確定したもの、営業の見込み、将来への予測などがあります。合計だけを置くと、どの数量まで製造を確定してよいか判断できません。

確定注文と見込みを分ける:確認表
商品・出荷日 確定数量 見込み数量 根拠・確認期限 担当
自社で記入

見込みが確定したら、同じ数量を両欄に残さないようにします。確認期限を過ぎた見込みは、更新するか計画から外すかを担当者が判断します。すべての見込みを無視するのも、すべて確定扱いするのも避け、自社の納期と製造条件に合わせて採用範囲を決めます。

確定注文だけでは準備が間に合わない商品もあります。その場合は、予測を使っていることと、外れたときの見直し方法まで説明できるようにします。

日付ごとに、使える数量と必要量を合わせる

架空例として、月曜朝に使える商品Aが100kg、月曜出荷80kg、火曜出荷70kgとします。月曜は製造せず、火曜の出荷前に完成できる製造を考えます。火曜出荷後に20kg残す仮の方針を置くと、必要製造量は70kgです。

日付ごとに、使える数量と必要量を合わせる:確認表
期首の使用可能在庫 出荷前の完成量 出荷量 期末在庫
100kg 0kg 80kg 20kg
20kg 70kg 70kg 20kg

火曜分だけを見て「出荷70kgだから70kg作る」と考えたのではなく、月曜の残り20kgと、残す量20kgを含めて判断しています。残す量を0kgと決める条件なら必要製造量は50kgです。

この20kgは説明用の仮定です。予備を持つか、その量をいくつにするかは、需要の変化、製造に必要な時間、補充の機会、保管と出荷に使える条件などを確認して自社で決めます。

余っている量にも、行き先と時期を付ける

数量だけで余剰かどうかは判断できません。近く出荷する確定注文へ使える在庫と、使う予定が決まっていない在庫を分けます。後者については、いつまでに何を確認するかを付けます。

余っている量にも、行き先と時期を付ける:確認表
在庫の状態 確認すること 次の行動
確定出荷へ使う予定 数量・出荷時期・適合条件 二重引当を防ぐ
近い見込みへ使う予定 見込みの確度と確認期限 製造の確定を見直す
使う先が未定 規格・状態・保管条件 販売・製造担当で扱いを決める

単に古いものから必ず出せるとは限りません。顧客の仕様や出荷条件に適合するかを担当者が確認します。品質や出荷の可否を、この在庫計算だけで決めないでください。

作りすぎを防ぐため、増産の根拠を残す

計算上の必要量より多く作ることが、常に間違いとは限りません。最低製造量、投入単位、段取りなどの理由があれば、まとめて作る案を検討できます。ただし、その理由と、追加した分の行き先を別欄にします。

架空例で必要量が70kg、製造単位が40kgなら、80kgを作る案では10kgが計算上の余裕として増えます。この10kgを後日の需要に使えるか、ほかの在庫と重ならないか確認します。「切り上げだから」と毎回記録せず増やすと、余剰の理由を追えません。

反対に、原料や能力が足りず必要量を作れない場合は、ゼロ未満の在庫を表の上だけで消さず、納期や数量の調整が必要な箇所として見せます。

日々の差を、次回の計画へ戻す

毎日の製造と出荷が終わったら、計画と実績の差を確認します。出荷の増減、出来高の差、記録の遅れを分け、次の日の期首在庫を確定します。予備量を変えるときは、直近の不安だけで増やさず、何がどれだけ変わったかを記録します。

HAIFFは商品在庫と将来の出荷予定などをもとに計画案を作ります。元になる在庫と出荷の意味がそろっていると、計画の不足や過剰も説明しやすくなります。まず一週間分について、作る量の横へ「その数量が必要な理由」を書いてみてください。

参照

製品の説明:HAIFF公式ページの生産計画FAQ。本稿の確認表と仮定は編集提案です。生産計画を立てる順序原料在庫と商品在庫の整理へつなげて使えます。