必要なのは「今日は何人いるか」という人数表を、実行できる工程と数量に置き換えることです。ここでは、一日の上限を整理し、予定を組み直して関係者へ渡す手順を紹介します。
人数ではなく工程ごとの制約を書き出す
まず、原料の準備、加工、包装、確認、出荷準備など、対象商品が通る工程を並べます。各工程について、設備の処理量、担当できる人、使用できる時間を記入します。設備が空いていても、担当者が別工程にいる時間は同時に使えません。
「応援一人」と数えるだけではなく、単独で担当できるか、指導役が必要かも分けましょう。経験の浅い人を配置する場合は、指導する側の時間も計画に含めます。安全や品質の確認を省くことで能力を増やす計画にはしません。
| 工程 | 担当できる人 | 使える時間 | 能力の根拠 | 本日の制約 |
|---|---|---|---|---|
| 原料準備 | __ | __時〜__時 | 同じ条件の実績:__ | __ |
| 加工 | __ | __時〜__時 | 設備と配置:__ | __ |
| 包装 | __ | __時〜__時 | 商品・包材:__ | __ |
| 確認・出荷準備 | __ | __時〜__時 | 締切と必要作業:__ | __ |
能力の数字には必ず条件を付けます。包装の速さが異なる二商品を、同じ「一時間あたりの個数」で扱うと、負荷を読み違えるためです。
加工できる量と完成できる量を分けて計算する
以下は、考え方を示す架空の計算例です。原料準備は一時間に80 kg、加工は100 kg、包装は完成品換算で50 kgを処理でき、それぞれ正味4時間動けるとします。ここでは説明を単純にするため、工程間の重量変化はないものとします。
原料準備の上限は320 kg、加工は400 kg、包装は200 kgです。作業の順序と待ち時間が解決できたとしても、当日に包装まで完了できる量は200 kgを超えません。加工機の上限だけを見て400 kgの完成を約束すると、包装待ちを増やします。
さらに、4時間の中に準備や洗浄が含まれているなら、その時間を差し引いて計算し直します。「担当者の勤務時間」「設備を使える時間」「実際に加工する時間」を同じものにしないことが大切です。複数工程を同時に進められるかも、別途時間軸で確認します。
生産量を減らす前に、変更できる条件を比べる
能力不足が分かったら、前倒し、製造順序の変更、商品群の集約、担当者の再配置を候補にします。どれも可能とは限りません。前倒しは保管場所や商品条件、再配置は担当可能な作業と他工程への影響が判断材料です。
| 変更案 | 変えられる条件 | 新しく発生する負担 | 確認する相手 |
|---|---|---|---|
| 前日に一部を製造する | 稼働日、原料の準備 | 保管、在庫期間 | 製造・品質担当 |
| 同じ包材の商品をまとめる | 製造順序 | 出荷順との調整 | 包装・出荷担当 |
| 他工程から応援を入れる | 配置 | 応援元の遅れ、指導 | 両工程の責任者 |
| 出荷を分ける | 納品方法 | 配送、受入先との調整 | 営業・出荷担当 |
ある工程だけを楽にしても、次工程や翌日に負荷を移すだけの場合があります。変更案ごとに「当日できる数量」と「残る数量」を書き、翌日の能力にも収まるか確認しましょう。
計画の確定時に、上限の理由を残す
生産計画へ渡すのは、数字だけではありません。「包装担当が午後不在のため、対象商品は午前中に完了する範囲」といった理由を残します。これにより、追加注文を受けた人も、その日の上限を超えてよいか判断しやすくなります。
HAIFFの製品案内では、人員増減に応じた上限や稼働日などを工場ルールとして設定し、計画案へ反映する考え方を紹介しています。入力する上限は現場で確認した条件に基づけ、AIが出した数量についても、担当者が実行可能性を確認します。人員変更のたびに何を更新するかは、対象業務と合わせて整理してください。
当日の差を、次回の能力設定へ戻す
終了後は、計画数量、完成数量、稼働時間、停止理由を同じ工程単位で見比べます。予定より少なかったからといって、すぐに能力値を下げる必要はありません。原料待ちや機械停止が原因なら、処理速度の問題とは分けるべきです。
次に同じ配置で動く日までに、「能力の前提を変える」「準備を早める」「今回限りの例外として残す」のどれかを決めましょう。今日の人員表と工程表を並べ、まず最も制約が強い一工程の上限を説明できれば、計画見直しの出発点が整います。
全体の計画順序は生産計画の基本手順、入力条件の整理はAI生産計画の準備項目をご覧ください。
参考情報
- HAIFF公式製品案内:生産計画と工場ルール。本記事の表・計算例は、工程別に能力を整理するための独自の実務例です。